『今、この瞬間』に生きる〜身体と感情のズレ

※これはインドの物語なので、僧侶は基本的に『禁欲』ということも理解してお読みください


二人の僧侶、イェスミとノーミは

近くの村に説教に行って僧院に帰るところでした


川を渡ろうとしていた時
泣いている一人の女性に出会いました

イェスミは彼女のところへ行き

なぜ泣くのかと問いました

彼女は、川の向こうにいる幼い子供の元へ帰らなければならないけど

川の水位が増したせいで帰れなくなって悲しい

きっと子供は母を求めて一晩中泣くだろう、と言いました


その話を聞いて、イェスミは助けを申し出ました

彼は彼女を抱きかかえ川の向こう岸まで運びました

そしてまた、歩き出しました


30分ほど歩いた頃

ノーミが動揺した様子で口を開きました

「イェスミ、あなたは自分がしたことを分かっていますか?」


イェスミは穏やかにノーミを見ました


私たちの師は言いました「決して女性を見るな」

でもあなたは彼女に話しかけた

私たちの師は言いました「決して女性に触れるな」

でもあなたは彼女を抱きかかえた


イェスミは静かにノーミを見つめて言いました 

「そうです。その通りです。でも、私は30分以上前に彼女から手を離したのに、あなたはまだ、彼女を抱きかかえ続けているのですね」


『防御壁』によって生じる『分離感』と『意識状態』

『今、この瞬間』のことが良く理解できる物語


イェスミとノーミは
存在の2つの意識状態を象徴しています


基本的に私たちは誰でも2つの意識状態のどちらかにいます

1つ目は『ストレスに満ちた状態』

もう1つは『ストレスのない状態』

『ストレスのない状態』を『美しい意識状態』と呼びましょう


ストレスのない時、私たちは『人生を美しい』と感じるからです

通常ストレスは緊張だと言われますが

怒り、恐れ、心の傷、孤独感、イライラなども全てストレスに満ちた状態です


『美しい意識状態』とは、繋がり、喜び、愛、思いやり、活力、そして情熱のある状態です


人間の人生の全体を見ると

戦争か平和か

腐敗か協力か、など

全ての選択と行為は2つの意識状態のどちらかが原動力となっているのです


最も重要な選択は

どちらの意識状態から自分の人生を生きたいのか?

他の人々と関わりたいのか?自分の人生の目的を達成して生きたいか?

ということです


悲しいことに学校教育は私たちを競争させ

他者の進歩に嫉妬させ、劣等感で恥を感じさせます

人間として存在するという真髄を深く傷つけることになっています


イェスミは『美しい意識状態』を象徴し

ノーミは『ストレスに満ちた意識状態』を象徴していました


イェスミは他者の問題を解決し穏やかに歩き続けました

ノーミは自分のマインドの中で問題を作り出し

すっかり動揺してしまいました

そして、物事が起きる前も、起きている最中も、起きた後も心が乱され

思考は非常に愚かで複雑になりました

内側に動揺があったからです


イェスミは行為の最中でも完全にその瞬間にいて
行為が完了した時には完全にその状況から離れました


『美しい意識状態』は過去や未来への不安から脅迫的に惑わされることはなく

内側のシンプルさや、整頓された心のひらめきを感じる状態です

『今、この瞬間』につながる意識状態なのです


ノーミは道に迷ってしまいました

『ストレスに満ちた意識状態』では、誰でも道に迷います

傷つかないように自ら『防御壁』を作り、他者との繋がりを失います

他の人と一緒にいても孤独感を感じます


イェスミは違いました

女性の苦境に繋がりました

彼は彼女を助けました

彼はノーミの苦悩も理解し、叡智の言葉がけによって彼を助けようとしました


『美しい意識状態』にあると、あなたは自分を助け、周りにいる人を助けます

あなたは完全に聡明で、行為は決断力に満ち、パワフルです


ノーミは怒りと混乱が、彼の中の敬意や高潔の理想像の上に乗っかってしまいました

『ストレスに満ちた意識状態』があなたの理想像の上に乗ってしまうと

その考えがどんなに高尚なものであっても

たとえそれが愛国心や無条件の愛や、敬意や誠実さであったとしても

私たちは鈍感で無関心になっていきます


自分が大切にしてきた大義を傷つけ
自分たちが愛する人を傷つけてしまいます


イェスミは、天国への道から締め出されるために助けたのではありません

助けないと罪悪感を感じるからでもありません

彼が助けたのは、女性の痛みを感じられたからです

彼女の苦しみを感じることができたのです


『美しい意識状態』からの行為は、繋がりから生じます

理想からではありません


私たちにはイェスミとノーミ、どちらの経験もあることでしょう

ストレスと断絶感の中で生き、自分の人生と周囲の人々の人生に大きな混乱を招く場合もあれば

繋がりのある『美しい意識状態』を生き、自分と周囲の人の幸福に貢献したこともあるでしょう


戦争、分離、葛藤、誹謗中傷は

より多くの人が
『美しい意識状態』に生きることによってのみ終わります


では、習慣的で否定的で、ストレスに満ちた方向へ向かいがちな脳の傾向から

どうやったら解放されるでしょう?

プレッシャーが私たちの人生の一部分であり続けるなら

ストレスによって停滞させられることなく生きるためにはどうしたらいいのでしょう?

『美しい意識状態』の中にいながら、人生のチャレンジにどのように向き合ったらいいのでしょう?


人がよく選ぶ道筋には3つあります

1)ストレスに満ちた意識状態を生きて、内側の意識を傷つけるところへ落ちてしまう

2)ストレスから逃げようとして一時的にドーパミンが高い状態になろうとします。しかし、ドーパミンが一定状態に保たれてしまうと、感情的に乾いた、空っぽの状態になってしまう

3)不都合な信念や物語や考えを、都合のいいものに置き換えようとする


しかし、この3つの方法はどれもパワーを持っていません

引力の強い苦しみや長期間のストレスから、あなたを解放するパワーを持っていないのです

結局私たちは、習慣的でストレスに満ちた感情の渦に屈服します

私たちには、『美しい意識状態』へと導く強い内なるパワーが必要です

それこそが内なる真実に繋がる道です


あらゆる感情的な苦しみは、脅迫的で自己中心的な思考から生じます


それは自分自身への強いこだわり
それは絶え間なく続く自分への強い執着

この執着が、あなたと他者を引き離し

あらゆる種類の戦争や葛藤や分離の原因なのです

この洞察に照らして、自分の感情的な苦しみを観察できるなら

この真実が私たちを解放します

苦しみの中で、不幸の中で、ストレスに満ちた状態の中で

あなたは自分にこだわり続けているのです


自分がされた不公平な扱いに執着し
自分に禁じられた快楽に執着し
自分には与えられなかった機会に執着し
自分に抑制されてしまった愛に執着し・・・
完全に自分への執着なのです


この状態で私たちは目の前にある問題への解決策を見つけようとはしません

全ての思考が「自分」「自分」「自分」となっているからです

不幸の中でそれだけを考えているのです


この洞察に照らしてノーミのことを観察してみましょう

物語を通して彼は執着し続けていました

自分の正しさにこだわり

間違いが起こることを許してしまったという罪悪感にこだわりました

自身の『防御壁』に気づきもせず

解決策には関心がなく、女性とその息子や、自分の友人にも関心がなく

内側ではずっと、苦しんできる女性を無視した自分は正しかった

ルールを守った自分は素晴らしかったと正当化を続けました


30分前の出来事(過去)から離れられず、身体と感情のズレが生じるのも、悪い状態が長く続くのも、苦しみも、、、

自身が作り出した『防御壁』により生じる『分離感』と『自分への強いこだわり』の結果です


それは、脅迫的自己中心的な思考です

★これが、SNSで誹謗中傷してしまうなど、攻撃的になってしまう要因


それに気づくことができれば、あなたを苦しめてきたあらゆる形に苦しみに対する最高にパワフルな対抗手段となります


自分自身を観察してみましょう・・・

自分の過去の後悔にかかりきりですか?

それとも未来の不安にかかりきりですか?

何から守ろうとしているのですか?

今、この瞬間にいますか?

自分自身に執着していますか?

それとも繋がりを感じていますか?



今、この瞬間を生きる・・・ 

全ての解決策はそこにあるのです

FATIMA

私たちが、自分を受け入れるまでは 何をやっても意味がない そして、いったん自分を受け入れた後は 何をしてもうまくいく _____チャーリー・ヘブンリッチ まずは、自分を愛することです 今の自分を愛することができれば 本気で、あなたを愛してくれる人がやってきます クリエイティブライフコーチ: FUKU(Prem Fatima)

0コメント

  • 1000 / 1000